前輪の中に荷物を入れてしまうという大胆な発想でデザインされた、スタイリッシュな自転車『 Transport 』
【カテゴリー:工業デザイン】
今回は荷物を前輪のリムの中に収納するという、大胆な発想の自転車Transportをご紹介します。
コミューターバイクのデザインプロジェクトでデザインされたTransportは、前輪のハブ(車輪の中心部)を無くした結果できる大きなスペースに、荷物を収納するというスマートな解決法が図られており、外観もとてもスタイリッシュに仕上がっています。車輪はタイヤとリムが回転してその内側の空間は回転しないため、大きめの荷物も入れる事ができるようになっています。
前輪の中が大きな収納スペースに。
フレーム形状もシンプルでスマートです。
簡単に荷物の出し入れができる大きな口。
コンセプトはコミューター+大きな収納スペース。
構想段階でおおよその形や大きさの検討を付けていきます。
紙屑を固めて作られた硬いボードをレーザーで切り抜いて、1/8モデルを作ったりしながら形状の検討をします。
1/1モデルでは合板を切った貼ったしながらの検討です。
自転車のリムを流用しながら、前輪の制作を進めます。
おおよそ決まっていくプロポーション。この段階でもシンプルでスタイリッシュな形が見えてきます。
収納スペースの確認。なかなかに大きな荷物も入りそうですね。
合板を接着したり削りながら、1/1モデルを作っていきます。
軸受け部。
使用イメージ。
(via: core77 )
シンプルにまとまっていて、凄く好感の持てるデザインですね。ママチャリとは違って、小径ホイールの自転車やスポーツタイプの自転車には、荷物を入れる籠が無い事がほとんどなので、こういった新たな収納スペースに着目したスタイリッシュな自転車というのは需要がある様に感じます。
少し気になる点としては、収納スペースへの雨除けのフタは別パーツで付けられるとして、ハンドル操作をする時に荷物が入っている事で、ハンドルを取られないかという点は気になります。
右へ左へとハンドルを切るため、重い荷物が入っているとそのたびに少しフラついてしまうのかも知れません。それを考えると後輪だけを小径にして、サドルと後輪の間に収納スペースを設ける事もアリなのかなーと思います(作者のウェブサイトでは、そういった点も考慮の上今の形状になっているようですが)。またここからアイデアが色々と膨らんでいきそうな、そんなスタイリッシュな自転車ですね(*´ω`*)
作者であるDavid Hotard氏のウェブサイトでは、アイデアスケッチなども公開されていますので、そちらも併せて是非ご覧ください。
スタイリッシュな自転車『 Transport 』。確かに、格好良いですね。
前輪のハンドルの車軸の延長線上に荷物の中心が凡そ合っている感じなので、荷物の重心が片方向に偏っていなければ、ハンドルは取られそうにはならないみたいですね。
デザインだけじゃなく、とても、機能的だと思います。
前輪側に乗せるベビーシートの付いた日本の自転車もハンドルの回転軸の丁度真上に赤ちゃんが座るようにしているのと、同じ様な重心の取り方ですよね。
コメントを有難う御座います!
問題の提起から、それに対する改善案の発想と、それを具体化するプロセスに至るまで、とてもレベルの高いデザインだな~と感じました。
ベビーシートの付いた自転車もそうなのですね。
理に適った形でありながら、それをスタイリッシュにまとめ上げる所は、とっても参考になります。
有難う御座いました!